聞き手の態度が変わると話し手も安心できる|みんなで作る「話しやすい環境づくり」
話し合いの場でなんだか「意見をしづらい・・・」と思ったことはありませんか?
意見をしづらい原因は色々とあると思いますが、なかでも他人から否定されることの不安感から生まれる恐怖心や恥ずかしさがあると思います。僕たちは話し手は、無意識のうちに常に聞き手の反応を気にしています。
今回は、ファシリテータのみならずグループ全体で取り組める「聞き手が作る話しやすい環境づくり」について解説します。
●目次●
どうして話しづらいと感じてしまう?
人は無意識のうちに、他人を気にしています。意見を言おうとしても、「拒否をされたらどうしよう」「声を出したらみんなの視線が集まるから恥ずかしい」などと、他の参加者の目や評価を意識しています。こうした考えが恐怖心・不安・恥ずかしさに変わり、意見を言いづらい環境が出来上がってしまいます。誰かに意見を振られた際に、しんどい気持ちになった経験がありませんか?きっと、そのように他人を無意識に気にしていることが原因ですが、決して話し手に原因があるとは考えません。話し手に度胸がない・人前で話す練習が足りていないなどと決め付けてしまっていいのでしょうか。むしろ、聞き手の態度を少し工夫するだけで、こうした恐怖心などは克服しやすくなります。
話の聞き方を意識して「共感」を示そう
以前このようなツイートを拝見しました。
「講演会で聴いてる時に『うんうん』的に頷いてる奴キモっ」
— かず☞経営学✖️幸福学 (@kazubw) 2019年11月19日
いや、ちょっと待て。違うんや。1度自分も講演やってみ。自分の話を真剣に聞いて頷いてくれる人が1人でも目に入ると講師ってめちゃくちゃ安心するんや!
ワイはそんな気持ちを知ってるから頷いて話を聞く癖がついとるだけなんや。
皆さんも同じような経験をしたことはありませんか。態度は言葉以上にモノを言う時があります。聞き手の聞く姿勢として気をつけることは、話し手が意見を言っている間安心できるような姿勢で聞くことです。相手に「しんどい」感覚を与えてしまうと、もう意見を言うのはやめようと考えてしまいます。具体的に意識するポイントをまとめてみました。
自然なアイコンタクトと優しい表情で
自然なアイコンタクトを忘れず、なるべく優しい表情で聞いてあげる姿勢が重要です。しかめっ面で聞かれると相手も話しているだけなのになんだか問い詰められているような感覚になってしまいます。無理に笑うと逆に聞き手がしんどくなってしまうので、無理のない程度で実践してみると良いでしょう。相手が楽しい話をしている時は笑顔で、大変な思いをした話をしている時は悲しい顔で聞くなど、共感を示すような表情を作ることも有効です。
まずは「YES」で共感・肯定のレスポンスから
話し手が無意識に1番怖がっているのは、自分の意見が否定されないかという点です。話しやすい環境を作るために、まずは相手の意見を共感や賛成などをすることで、ひとまず肯定してあげることが重要です。たとえ意見に対して否定的な意見を持っていても、どこかに共感・賛成できるポイントはあるはずです。そうした点を積極的に肯定して、その後に自分の意見を言うと良いでしょう。とにかく頭ごなしに否定をしてしまったら、その否定された人は次に発言するのにまた恐怖心を抱えてしまいます。そうした雰囲気は全体に広がり、意見が出てこなくなったり、意見は出るけどどれも当たり障りのないモノになってしまったりなど悪影響は広まります。
否定の嵐の中でのファシリテータの役割
ファシリテータは中立的な立場で議論がうまく進むようにサポートする役割を持った人物のことです。そのため、ある程度バランスを保つことが必要です。意見の否定続きで雰囲気が悪くなってしまった場合は、少し介入した方が良いでしょう。一つ目に、話し手の意見をポジティブに言い直すことが有効です。たとえば、「AよりもBの方がいいに決まっている」という意見には「〇〇さんはBに強いこだわりを持っていますね。」などと言い直すことができます。必要以上に誰かが否定され続けている状況には、「〇〇さんありがとうございます。〇〇さんはこのような意見ですが、△△さんはどう思いますか。」などあえて違う人に意見を求めることもできます。ファシリテータは他の聞き手よりも積極的に共感・肯定の実践を行い、意見を「繋げる」ことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。意見を求められて「しんどい」と感じるのは決して話し手に責任はありません。周りの聞く人たちの態度や返事で思ったよりも簡単に乗り越えることができます。決して難しいことではないので、気に入っていただけましたらぜひ参考にしていただけると幸いです。